万の物語/四万ヒット目/四方山話〜賢者達のお家事情〜

四方山話〜賢者達のお家事情〜

すぎな之助(旧:歌帖楓月)




北賢者のお家事情

ノウリジ:
 さてと。北の賢者インテリジェの館の近くについたぞ。
北の果て、見渡す限りの荒野だな。ううっ寒い。始終北風がびゅうびゅう吹いてるんだここは。しかも雪混じり。天気は曇りが多いな。あんまり晴れることがない。

 はい館の前に着きました。門は灰色の石でできてる。出入り口はさびついた金属柵がついてる。
館は大きくないぞ。二階建てだ。部屋数いくつなんだろ。10も無いと思う。
んじゃ、入るとするかー。しつれいしまース。

(入るというより、転移の術でノウリジいきなり居間に出現!)

ノウリジ:
 はいここが館の中。暖炉のそばに来ましたー!
 目の前で無茶苦茶怒ってるけど顔に出ないのが、北の賢者インテリジェですー。
 こんちはー。遊びに来たので酒をくれ。

インテリジェ:
 帰れ。

ノウリジ:
 はいこのように、北の賢者インテリジェはいつ何時でも不機嫌無表情無関心な男です。ええと、髪の毛は薄紫で直毛で長い。上のイラストで見たらわかるかな? だいたい頭の天辺で髪の毛をくくってる。長さどれくらいだろ。今見たところ、くくった状態で、腰くらいまで髪の毛きてるぞ。

インテリジェ:
 何を誰に解説している。いいから帰れ。

ノウリジ:
 なんだよーいいじゃん酒くれよ。インテリジェの名前は、知能知識を意味する英語「intelligence」からつけたんだとさ。

インテリジェ:
 (ノウリジの紅い髪をわしづかみ)
 自分で帰ることもできんのなら、……私が投げ返してやろうか?

ノウリジ:
 いやいやまてまて。ここはひとつ友好的に話し合おうじゃないか。ええと、こいつの特技はこれこのように「いらんものをどっかに投げ捨てる」こと。お陰で万の物語2では大騒動だった。お前のせいで雪葉ちゃんがえらい目に遭ったんだぞ可哀想に。

インテリジェ:
 お前が口出ししてよいことではない。いいから帰れ。

ノウリジ:
 (北賢者の話を聞いてない)なあ、雪葉ちゃんはいないのか?

インテリジェ:
 お前に会わせる雪葉などいない。帰れ。

ノウリジ:
 あー。ったくよお。このように、不機嫌無表情無関心のインテリジェなんだけども、雪葉ちゃんに対して「だけ」は別なんだよなあ。ようし、ちょっと雪葉ちゃん呼んでみよう。今ならなんだってできそうな気がする。進行役だし。
 雪葉ちゃーん! 南の賢者ノウリジが遊びにきたよー!

(居間の扉が開いて、雪葉登場)

雪葉@二十代:
 はい。いらっしゃいませ。ノウリジ様(笑顔)

ノウリジ@赤面:
 雪葉ちゃん!!(感激) 今日はオトナなんだね!

雪葉:
? (なんと言っているのか理解できない)

ノウリジ:
 ああごめん。大人なんだね?

雪葉:
 はい。(にっこり)

ノウリジ:
 雪葉ちゃんは、ある事情があって「きちんと発音された言葉」でないと理解してくれないんだ。それについては、「万の物語5」で語られるはず。
 まあそんなことは置いておいて、相変わらず可愛いなああ!(ノウリジ感激)
 ええと、雪葉ちゃんは黒髪黒目、長髪直毛だ。可愛いんだ。巫女は物なので、年齢容姿変幻自在だけど、雪葉ちゃんは他の巫女に比べると使える能力が少ないみたい。白い鳥と本来の姿の二通りの姿になれる。転移の術も使えるかな。それ以上は、主が能力を付加してないんだ。理由は「雪葉は私の側にいればそれでいい」だってさ。少しくらい貸し出してくれよ。(雪葉ちゃんを貸し出す商売とかあれば、真っ先に借りるのになあ。)
 ねえねえ、そんなとこに立ってないでさ、こっちにおいでよー!(手まねき手まねき)

雪葉:
 はい。ノウリジ様。(歩み寄り)

ノウリジ:
 超素直ー! 雪葉ちゃんは素直で可愛くって優しくって、今日こそお持ち帰りしたい。

インテリジェ:
 (歩いてくる雪葉の方に歩いていって抱き寄せて引き止める)
 あんな者のところになど行くな。

雪葉:
 (主を見上げる&見つめる)
 はい……主上。
 (素直に従う&うっとり)

ノウリジ:
 !! ああああ(慟哭)雪葉ちゃーん!?
 このように、素直で可愛くって優しい、可愛い雪葉ちゃんは、それよりも何よりもあの(冷血無味乾燥の)インテリジェの言うことなら何でも聞くんだよ(大泣)。まあね……雪葉ちゃんはインテリジェの巫女なんだから(作者注:巫女なんだからではなく、単にベタボレなんですが)仕方ないけどね?(号泣)
……俺、帰る……。
(ノウリジ 傷心で帰還)

インテリジェ:
 ……で、結局何をしにきたのだあいつは。



ノウリジが帰ってしまいましたので、補足説明いたします。
北賢者の容姿の色は紫(薄紫)。衣は和風(もどき)です。雰囲気は静寂。賢者と巫女との関係は「恋人」です。特に賢者の方は、巫女がいれば他に何もいらないでしょう。


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