万の物語/四万ヒット目/四方山話〜賢者達のお家事情〜

四方山話〜賢者達のお家事情〜

すぎな之助(旧:歌帖楓月)




南賢者のお家事情

ノウリジ:
 (精神的にまいった様子でフラフラと帰宅)
 ……ただいまー。
 (ふらふらよたよた)

星華(せいか):
 おかえりなさいませ、お上。
 (楚々と一礼)
 ? どうなさいました? ずいぶんとお疲れの様子。

ノウリジ:
 ……色々あってな。
 (まるで夕暮れ時のような哀愁が漂う)
 人生ってさぁ……こう、なんていうの? ホント、色々あるよなあ……。
 開けちゃいけない扉があったり、とか、「覆水盆にかえらず」とかさ?
 (たそがれ気分)

星華:
 まあ、お上……。
 お上は人ではございませんので、「人生」ではございません。お間違えなきよう。
 (同情するかと思いきや、いたって冷静に返答)

ノウリジ:
 ……。
 (思い切り脱力)
 ぅわかってるよ婆ちゃん。
 ……できれば、慰めて欲しかったけど……
 いや、いいけどさ?
 (涙目)
 あっ。そうだ俺の家も紹介しなきゃ。
 なんたって、「賢者達のお家事情」だものな?

星華:
 お家事情? 一体なんの話ですか?

ノウリジ:
 あー。実はな星華、今回の「万の物語」では、四方の賢者の事情を紹介することになったんだ。俺が進行役になった。(ちょっと誇らしげ)

星華:
 まあ。では、今までどこかの賢者様宅へ?

ノウリジ:
 ああ! インテリジェんとこ行ってきた!

星華:
 ……また、失礼なことをおっしゃって、インテリジェ様にご迷惑をお掛けしたのではありませんの? お上、いきなりお酒をねだったりなさいませんでしたか?
 (鋭い)

ノウリジ:
 …………。
 (冷や汗)

星華:
 お上、「せめてごあいさつを終えてからお酒の話をなさいませ」、と、わたくしいつも申し上げておりますでしょう?
 (顔を曇らせる)
 (ためいき)
 それでまた、インテリジェ様からご不興をかわれたのではありませんか?

ノウリジ:
 (鋭い。さすが婆ちゃん)
 (それゆえに、目線を泳がせながら、どぎまぎと話をそらす)
 えー、じゃー、うちのお家事情、いってみるかな?

星華:
 (ムッ)
 お上?

ノウリジ:
 星華っ、仕事、仕事をしようぜ? いつまでも身内で話してる訳にもいかんだろう? 今回は「四方の賢者のお家事情を紹介」って訳だからさ?
 それでは。ごほん。(せきばらい)
 うちの気候は毎日初夏。いーい天気ばっかりだ。明るくってあったかい! 館の外は一面、緑の草原だ。吹く風もさわやか。気分爽快になるぞ?
 えー、で、どんな屋敷かっていうと、木造三階建て。大きさは……でっかいな。新殻衛兵も累機衆も皆ここに住まわせてるからなー。俺、にぎやかなのが好きだからさ?部屋数いくつあんのかわかんねえや。増築繰り返してるからなあ。けっこう複雑怪奇な造りかもしれんなあ。隠し部屋とかあるかもしれん。

(作者注:あっけらかんと明るいノウリジですが。しかし、一時期の彼の趣味は「のぞき(雪葉限定)」。趣味に関しては四方一、暗いです)

ノウリジ:
 んあー? 今誰か何か言ったか? ま、いいか。
 えーと、このページの上に絵があったと思うんだけど、左が俺、右が巫女の星華だ。
 俺の名前「ノウリジ」は知識を意味する英語「knowledge」からつけられたらしい。
 うちの巫女は、俺の婆ちゃんだ。祖母ね? ちゃんと血がつながってる。
 なんで巫女に召し上げたかって? ……あー、うん。その辺の事情は万の物語5で出てくるはずだから、そっちにまかせる。
 二人とも衣の色は「真っ赤」だ。南の象徴色な? 俺は好きな色だけど、星華にはあんまり似合わないのな。

星華:
 私は、人であったころは目が見えませんでしたから。……色は、そうは気にいたしません。

ノウリジ:
 星華の性格はこんな感じ、しとやかで冷静。占いもしたりする。
外見は、婆ちゃんだったり、若かったり。今の姿は若いな。子供の姿になることはほとんどない。雪葉ちゃんと違って、割合になんでもできる。武器防具に特化された新殻衛兵ほどじゃないけどな。髪と目は暗灰色、髪は直毛長髪。目は切れ長の一重。
 それから、いっつも赤い頭巾を頭からすっぽり被ってるな。うんまあこれも理由があって、それは「万の物語5」で。
 俺の外見も言わなきゃなー。
 上の絵のとおり。ほとんど少年〜青年の姿だな。えーと、15〜20才くらいの間で変動する。髪も目も真っ赤。髪の毛の長さはひじくらいまで。ちょっとくせっ毛だ。そして猫っ毛だ。そして酒が大好きだ。北の酒はうまいんだよなあ。寒いからかな?

星華:
 お上。
 (渋い顔)

ノウリジ:
 わかったよぉ、酒酒言うなっていうんだろ?
 そうだもう一つあった。
 俺たち賢者が身内から呼ばれる時の敬称?はな、四方によって違うんだ。いつの間にかこうなってた。
 さっき行った北は「主上(しゅじょう)」
 俺のところの南は「お上(おかみ)」
 これから行く西は「尊(みこと)」でもあんま聞いたことないなあ。ここの巫女の凛(りん)なんか賢者のこと呼び捨てにしてるからなー。
 最後に行く南は「御前(ごぜん)」……俺としては「隊長」とか呼んでみたいけどな。
 と、まあこんなとこかな?



(作者からの補足説明)
 ノウリジは、よく人間から「お供え物」をもらいます。南の地にはあちこちに「祠(ほこら)」がありまして、近辺の住民たちが、そこでとれる産出品をお供えします。「虹の珠」もその一つです。


←「北ふたりのお家事情」へ戻る「南賢者の住宅事情」へ

万の物語 作品紹介へ inserted by FC2 system