ノウリジ:
(精神的にまいった様子でフラフラと帰宅)
……ただいまー。
(ふらふらよたよた)
星華(せいか):
おかえりなさいませ、お上。
(楚々と一礼)
? どうなさいました? ずいぶんとお疲れの様子。
ノウリジ:
……色々あってな。
(まるで夕暮れ時のような哀愁が漂う)
人生ってさぁ……こう、なんていうの? ホント、色々あるよなあ……。
開けちゃいけない扉があったり、とか、「覆水盆にかえらず」とかさ?
(たそがれ気分)
星華:
まあ、お上……。
お上は人ではございませんので、「人生」ではございません。お間違えなきよう。
(同情するかと思いきや、いたって冷静に返答)
ノウリジ:
……。
(思い切り脱力)
ぅわかってるよ婆ちゃん。
……できれば、慰めて欲しかったけど……
いや、いいけどさ?
(涙目)
あっ。そうだ俺の家も紹介しなきゃ。
なんたって、「賢者達のお家事情」だものな?
星華:
お家事情? 一体なんの話ですか?
ノウリジ:
あー。実はな星華、今回の「万の物語」では、四方の賢者の事情を紹介することになったんだ。俺が進行役になった。(ちょっと誇らしげ)
星華:
まあ。では、今までどこかの賢者様宅へ?
ノウリジ:
ああ! インテリジェんとこ行ってきた!
星華:
……また、失礼なことをおっしゃって、インテリジェ様にご迷惑をお掛けしたのではありませんの? お上、いきなりお酒をねだったりなさいませんでしたか?
(鋭い)
ノウリジ:
…………。
(冷や汗)
星華:
お上、「せめてごあいさつを終えてからお酒の話をなさいませ」、と、わたくしいつも申し上げておりますでしょう?
(顔を曇らせる)
(ためいき)
それでまた、インテリジェ様からご不興をかわれたのではありませんか?
ノウリジ:
(鋭い。さすが婆ちゃん)
(それゆえに、目線を泳がせながら、どぎまぎと話をそらす)
えー、じゃー、うちのお家事情、いってみるかな?
星華:
(ムッ)
お上?
ノウリジ:
星華っ、仕事、仕事をしようぜ? いつまでも身内で話してる訳にもいかんだろう? 今回は「四方の賢者のお家事情を紹介」って訳だからさ?
それでは。ごほん。(せきばらい)
うちの気候は毎日初夏。いーい天気ばっかりだ。明るくってあったかい! 館の外は一面、緑の草原だ。吹く風もさわやか。気分爽快になるぞ?
えー、で、どんな屋敷かっていうと、木造三階建て。大きさは……でっかいな。新殻衛兵も累機衆も皆ここに住まわせてるからなー。俺、にぎやかなのが好きだからさ?部屋数いくつあんのかわかんねえや。増築繰り返してるからなあ。けっこう複雑怪奇な造りかもしれんなあ。隠し部屋とかあるかもしれん。
(作者注:あっけらかんと明るいノウリジですが。しかし、一時期の彼の趣味は「のぞき(雪葉限定)」。趣味に関しては四方一、暗いです)
ノウリジ:
んあー? 今誰か何か言ったか? ま、いいか。
えーと、このページの上に絵があったと思うんだけど、左が俺、右が巫女の星華だ。
俺の名前「ノウリジ」は知識を意味する英語「knowledge」からつけられたらしい。
うちの巫女は、俺の婆ちゃんだ。祖母ね? ちゃんと血がつながってる。
なんで巫女に召し上げたかって? ……あー、うん。その辺の事情は万の物語5で出てくるはずだから、そっちにまかせる。
二人とも衣の色は「真っ赤」だ。南の象徴色な? 俺は好きな色だけど、星華にはあんまり似合わないのな。
星華:
私は、人であったころは目が見えませんでしたから。……色は、そうは気にいたしません。
ノウリジ:
星華の性格はこんな感じ、しとやかで冷静。占いもしたりする。
外見は、婆ちゃんだったり、若かったり。今の姿は若いな。子供の姿になることはほとんどない。雪葉ちゃんと違って、割合になんでもできる。武器防具に特化された新殻衛兵ほどじゃないけどな。髪と目は暗灰色、髪は直毛長髪。目は切れ長の一重。
それから、いっつも赤い頭巾を頭からすっぽり被ってるな。うんまあこれも理由があって、それは「万の物語5」で。
俺の外見も言わなきゃなー。
上の絵のとおり。ほとんど少年〜青年の姿だな。えーと、15〜20才くらいの間で変動する。髪も目も真っ赤。髪の毛の長さはひじくらいまで。ちょっとくせっ毛だ。そして猫っ毛だ。そして酒が大好きだ。北の酒はうまいんだよなあ。寒いからかな?
星華:
お上。
(渋い顔)
ノウリジ:
わかったよぉ、酒酒言うなっていうんだろ?
そうだもう一つあった。
俺たち賢者が身内から呼ばれる時の敬称?はな、四方によって違うんだ。いつの間にかこうなってた。
さっき行った北は「主上(しゅじょう)」
俺のところの南は「お上(おかみ)」
これから行く西は「尊(みこと)」でもあんま聞いたことないなあ。ここの巫女の凛(りん)なんか賢者のこと呼び捨てにしてるからなー。
最後に行く南は「御前(ごぜん)」……俺としては「隊長」とか呼んでみたいけどな。
と、まあこんなとこかな?
(作者からの補足説明)
ノウリジは、よく人間から「お供え物」をもらいます。南の地にはあちこちに「祠(ほこら)」がありまして、近辺の住民たちが、そこでとれる産出品をお供えします。「虹の珠」もその一つです。
|