すぎな之助(旧:歌帖楓月)
そして、 医学部に持ち込まれた絨毯の切片からは、医学部教授が保管していたカールラシェル教授の血液に含まれていた毒素と同じものが検出された。 城にあった三人の遺体は調べられ、死因がつきとめられた。 城は、フローレンスの手によって、捜査の間はその存在が保たれた。 捜査が終わり、一週間経ったころ。灰色の城は、徐々に崩壊し始めた。 一カ月後、最後の部分が断崖の底に落ちた。 城は、もうない。 カールラシェル教授の最後の時間は、共に生きた者の中に残ることになった。