その言葉に、プリムラは、一度だけ瞬いた。
「それは、どういう意味なの?」
しかし師匠は、さあね、と、つれない口調で言った。
「自分で判断なさい。ただし、残るのであれば、骨の髄から私に従ってもらうわ。その小生意気な口のききかたは、もう二度とできないわよ? 自由な暮らしも、当分無理ね」
プリムラは、クリスティーナの言葉を反すうした。
そして師匠の目を見返した。
「ねえ」
「何?」
「あなたくらいになれるの?」
プリムラには相変わらず表情がなかった。だが、銀の瞳には逆のものが、生まれようとしていた。
クリスティーナは、眉を上げた。
「自分で判断なさい」
「……」
魔法使いは、視線を落として深く考え込む弟子の顔を、面白そうに見る。
「今すぐ決めないと叩き出すわよ? 私はね、余計なお荷物なら一瞬たりとも持ちたくなんかないの」
プリムラは、顔を上げて、クリスティーナから一歩退いた。
「決めたわ」
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