夫妻の左隣に座っている第一王子が肩をすくめて、両親の右向こうにいる弟に、呆れて言った。
「結婚か学問かどちらか一方などと、そう固く考えなくても良いのに。妃を得ても研究を続ければ良いのだ」
他の兄や姉たちも口々に言う。
「さっさと結婚して、王宮とは別に宮を構えなさいな。気楽ですよ?」
「相手が決まらないのなら、とりあえず片端からお付き合いしてみれば良い。そうしているうちにきっと見つかる」
「どうだろう? 今晩からは、曲が変わるたびに踊る相手を変えるというのは」
「さっそく何人か呼ぼうか?」
よってたかって王子に交際を勧める。これが、ここ最近の会話の典型だった。
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