シンデレラ2 後日談

すぎな之助(旧:歌帖楓月)

96 一人立ち

 翌朝。
 良く晴れた春の日曜だった。優しい青空に、太陽がきらきら輝いている。
「一人立ちなさったのですって? 胸をなでおろしましたわ」
 大学へ向かう準備を終えたファウナ王子の頭上から、美しい女の声が降ってきた。
「ああ。伝言は聞いてもらえただろうか?」
 顔を上げずに、王子は鞄を抱えて部屋の扉へと歩く。
「『一足遅かったよ』」
 王子は優雅に笑う。
「そうそう」
 王子は扉を開けた。
 目の前に、声の主が立っていた。
 王子は驚きもせずに、微笑んでみせた。
「せいぜい頑張るよ。じゃあね。行ってきます」



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