シンデレラ2 後日談

すぎな之助(旧:歌帖楓月)

52 邪魔1

 フロラは王子を見上げた。
 そして労わりの微笑みを向けた。
「いいえ。わたくしはなにも。きっとそのうちに、静かになります」 
「うん……」
 王子はゆっくりうなずき、そしてフロラを見つめた。
「あのね、フロラ」

「王子。お待たせいたしました」

 時計室に現れた第三の人物に、王子は内心で舌打ちした。
 せっかく言い出す機会を見つけたと思ったら、邪魔をされた。
 これは偶然ではない。故意にそうしたのだ。
 なぜなら。
 侍従長にして「魔法使い」の、くえない老翁が、二人の前に立っていたからだった。



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